2022/10/18

EVENT&REVIEW

9/18 カンボジア支援&国際交流EventReview

イベントのサムネイル

2022年9月18日(日)、カンボジアでオンライン教育事業を進めているNPO法人Follow Your HEART(以下、Follow Your HEART)のカンボジアと日本、それぞれで活動しているメンバーの方々、在日カンボジア人の方をお招きして、「カンボジア」についてのワークショップイベントを開催しました。

今回のイベントには、オンライン参加者もいらっしゃり、東京板橋区から日本およびカンボジアをオンラインで結びつつ、集まれるメンバーは実際に調理をしながら対面でワークショップを行うハイブリッド形式(※)のワークショップでした。※「来場型」と「オンライン型」を同時開催する形式

【ワークショップ当日の流れ】

ワークショップの主な流れは以下でした。

1.自己紹介&レシピ紹介/カンボジアの伝統料理紹介
2.お料理ワークショップ
3.試食会&ハイブリッド交流会

皆さんは「カンボジア」という国の名前を聞いて何を思い出しますか?
東南アジア最大の世界文化遺産「アンコール・ワット」や、ニュースで聞いた戦争やポルポト派による暗い歴史といったところでしょうか?国の名前は知っているけれど、あまり知られていない「カンボジア」・・・
今回、先生たちの生い立ちや現地で活動しているFollow Your HEARTのメンバーのお話しを伺いながら見聞を広げました。

夢を持ち働くカンボジア出身の先生とFollow Your HEARTのメンバーの方々

今回の先生方は、在日カンボジア人 セン ソピャック先⽣と チェン ソチット先⽣、Follow Your HEARTのカンボジア在住のメンバー、その活動を日本で支えるメンバーです。

先生たちの紹介

セン ソピャック先⽣とチェン ソチット先⽣は、お二人とも家族と自分のために10代でカンボジアを離れ、社会人として他国で働き、それぞれの夢をかなえるために、現在日本で解体工として働いています。事前準備や、当日会場のお手伝いなども頂いたのはNPOメンバーで現役大学生でもある石井さん。石井さんは、語学を学びながらも、国際ボランティアや教育に関心があったため、自らNPO法人に掛け合いメンバーとして働くようになったそうです。

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オンラインでカンボジアから参加してくれたFollow Your HEART※メンバーは3名代表を務める齊藤さん(写真左端)、大林さん(写真 中央)、岩田さん(写真右端)です。
「生まれた場所や環境に限らず、誰もが挑戦できる社会へ」をビジョンに掲げカンボジアの現地でオンライン授業普及のため活動しています。オンラインからも伝わる熱意、皆さんの一所懸命な姿に刺激を受けます。
※NPOホームページはこちら:カンボジア教育等支援法人 Follow Your HEART (npofyh.org)

食から文化を知る調理ワークショップ ~カンボジアの国民食 ノムバンチョック~

「その国の文化を知るには、まずは食から」ということで、先生の紹介後は、各自の自己紹介、レシピの紹介、調理に移りました。

2.料理説明

今回挑戦したお料理は、カンボジアの代表的な麺のお料理「ノムバンチョック」というレシピ。

10.ノムバンチョック
9.トッピング野菜

「ノムバンチョック」とは、カンボジアでは国民食と言われるくらいよく食べられるメニューで、麺の製法や原料(米粉)は違うものの、見た目も食感も日本のそうめんにそっくりだそう(米粉原料と聞いて、ベトナムのフォーを用意したら、素麺じゃないと再現できない!と先生に怒られてその場で買いに行きました(笑)棒に鍋を吊るして売り歩く姿が見られたり、屋台も沢山あるそうです。そして、この麺の上にスープをかけ、さらに付け合わせの野菜やハーブ類をたっぷりとのせてから頂くそうです。

3.スープ2種類

現地では、お店・屋台によって異なるものの、スープはだいたい2~4種類が用意されているのが一般的だそうです。今回も現地にならい、「クメール風カレー味スープ」と「ゆでた白身魚をほぐしたものをココナッツミルクで煮込んだスープ」の2種類を用意。ワークショップでは「クメール風カレー味スープ」の方のレシピを用意頂いて、みんなで作りました。

5.ベース素材
6.ベース素材2

まずは、スープのベースとなる、ニンニク、レモングラス、ガランガ、ウコンなどをすり潰してペースト状にしました。しかし、普段、すりつぶすなど経験がないのでなかなかペースト状にならずに悪戦苦闘!調理のメインはソピャク先生が担当し、アシスタント兼通訳を買って出てくれたチット先生が上手にすり潰してくれました。

7.煮込み風景
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その後、野菜を切ったり、炒めたり、スープを煮込んだりしました。ワークショップでは先生がおススメの日本人が食べやすい「クメール風カレー味スープ」レシピを皆で調理し、伝統的な味わいでカンボジア人の口に合う「ゆでた白身魚をほぐしたものをココナッツミルクで煮込んだスープ」のレシピは、ソピャク先生に調理をしていただきました。本格的な調理の方で使った魚は川魚の”テラピア”という種類で、東南アジアではとってもメジャーで、カンボジア以外でもベトナムやタイなどでも普通に食べられているそう。最近は日本でも冷凍したものが売られていたり、手に入るそうです。味は、鯛にそっくりの白身魚で淡白な味わいです。

☆会話テキスト&レシピ レシピ

カンボジアとオンラインで…クメール語に挑戦!教育の現状も知る

スープを煮込んでいる間にみんなでクメール語にも挑戦しました。

クメール語に挑戦するも・・・超苦戦!

☆会話テキスト&レシピ 会話テキスト

英語や中国語だと、表記や音も聞き覚えや見覚えがあってなんとなく頭に入ってくるのですが、今回のクメール語は、見るのも聞くのも初めて・・・皆で発音してみましたが、難しくて舌を噛みそうになりました(笑)。でも、このワークショップに参加しなければできない貴重な体験・・・

スライドを利用して会話を学んだ後は、カンボジアの観光地の簡単なクイズをしながら、現地の様子をGoogleマップやGoogleアドベンチャーなどを使用してオンラインでみんなで散策。ソピャック先⽣やソチット先⽣、Follow Your HEARTの現地メンバーから現地の実際の様子を教えてもらいました。

日本でも北海道と九州で文化が少し違うように、カンボジアでもタイ側やベトナム側など隣接している国の影響で、地域によってそれぞれ独特の文化があったり、違いがあるようです。また、タイとの国境付近では、タイの携帯電話の電波を拾うなんてこともあるそうです。日本とは違う、陸続きの国ならではのエピソードですね。

カンボジアの教育の現状とFollow Your HEARTの活動

カンボジアは過去の有識者虐殺などの歴史により、教員や教材の質を改善することが必要とされています。また、都市部と農村部における教育格差も激しく、カンボジア全体の教育環境向上が課題となっているそうです。

そのような現状の中、オンライン授業というアプローチでカンボジアの全ての子どもたちに教育機会を提供できるようにFollow Your HEARTのメンバー達は活動しているそうです。

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ソピャック先⽣とチット先⽣は、10代半ばで、社会や国外に出稼ぎに出て働いています(ソピャク先生はなんと中学卒業から単身でタイへ)。比較的農村部の貧しい地域出身と語ってくれた彼らの現状が、カンボジアの教育や就労の現状を物語っているとも言えます。ご本人たちの日本での就労先での待遇に関しては幸い、「日本人より良い位」と言う位の状況とのこと(失礼ながら収入もお伺いしましたが、日本人の平均年収は余裕で超えていました)。
今回ご紹介いただいた料理の腕前の基礎は、ソピャク先生がタイで出稼ぎ先のレストランでお仕事をされていた時に学ばれたものです。またチット先生は日本人パートナーと共にカンボジアやクメール語について発信するYouTubeなどもしているそう。海外で働きながら、学び実践することを体現されている素晴らしいお二人です。出稼ぎに行くのが当たり前なんだと語ってくれたお二人。実際にお話を聞く前は、支援しなきゃいけない国だから、支援しなければいけない人達なんじゃないかという気持ちが少しあったのですが、お二人から色々なことを教えていただき、その感覚がどれだけ失礼な話であるかも反省しました。

海外で仕事をし、家族のために多大な仕送りをしながらも、二人は、「カンボジアはまだまだだから、支援が必要な国」「国(カンボジア)のために色々な支援をしてくれる日本人やNPOには感謝しているし、私たちも国のために何か役に立ちたい」と先生役を買って出てくれました。

せっかく学ぶ機会や時間があるのに、学びも仕事も中途半端に、ただ時間を浪費して過ごしてしまった様な学生時代を振り返り、またまた反省。家族や故郷のことを考えて、世界で働く彼らから直接学ぶ機会を得たことは大変貴重な体験であったと思います。

インフラや先生の少なさなど日本でまるで当たり前にある状況が整わない中で、何とか先生を集め、より多くの人に学ぶ機会を作ろうと奔走するNPOのメンバーを含め、これからも長く続く世界のパートナーとして一緒にカンボジアの友人たちや子どもたちのために協力をしていきたいと感じました。
日本のことも大好きな方が多いカンボジア、ぜひ今後も永くお付き合いできればと考えております。

NPOの活動内容や寄付はこちら:カンボジア教育等支援NPO法人 Follow Your HEART (npofyh.org)
TAKE A NAPに募金箱もあります:NPO法人 FollowYourHEART様 募金箱設置 – TAKE A NAP公式

カンボジア(クメール)料理試食!~レモングラスの爽やかさ&サトウキビジュース&音楽で臨場感ありあり~

勉強会の後は、とうとうお待ちかねの「ノムバンチョック」試食会!
好きな量の麺を二つのお皿にとった後、お好みで野菜やトウガラシ、レモンバジルといった珍しいハーブなどをのせ、最後に給食形式で、ソピャク先生のところでスープを掛けていただき、出来上がり!!

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「クメール風カレー味スープ」と「ゆでた白身魚をほぐしたものをココナッツミルクで煮込んだスープ」どちらのレシピも、そうめんにマッチしておいしかったです♪

レモングラスのさわやかな風味が、南国をほうふつさせます。このレモングラスのさわやかな感じが、ムシムシして汗だくになった体に優しいのだろうな~なんて思いながら、先生も交えて皆で頂きました。

8.実食

生野菜などの具が沢山乗っているため、2杯でも結構お腹いっぱいになるのですが、ソピャク先生やチット先生たちは、4・5杯くらいお代わりして、いつも食べるそうです!日本では、チット先生の弟さん含めて、5~6人の仲間で共同生活を送っているそうですが、料理は順番でみんなで担当するそうです。

今回のおやつは…?

11.サトウキビジュース
おやつのドリアンクッキー&ジャックフルーツチップス

また「ノムバンチョック」を食べながら一緒に飲んだのは、「サトウキビジュース」。
おやつには「ドリアン」のクッキーと「ジャックフルーツ」チップスをいただきました。

「サトウキビジュース?」「ドリアン?」「ジャックフルーツ?」ここでも初めての体験。

カンボジアでは、水分補給でサトウキビジュースを飲むそうです。現地の屋台でも生のサトウキビをその場でつぶして絞りだし売っているそうです。またおやつにフルーツをよく食べるそうで、日本では中々手に入らないフルーツもお店にたくさん並んでいるそうです。ドリアンもその一つということで、今回はお菓子で体験しました。またジャックフルーツは世界最大の果物と言われている食べ物で、見た目はドリアンの様なトゲトゲの丸い大きな実ですが、味わいはマンゴーの様な感じ。タイやベトナムなどの周辺の国でもこれまた人気になっているそうです。

日本では、沖縄で「サトウキビをかじっておやつにしてたよ」なんて話を聞いたことがありましたが、高温多湿の似たような風土では、共通することがあり親近感がわきますね。

ちなみに今までの台湾やベトナムイベント含めて、コワーキングスペースとしてTAKE A NAPを利用すると使えるカフェスペースでは、このおやつが置いてあるそうです(※数量限定)。ドロップインなどでも興味がある方は気軽に声をかけてくださいね!とのことですので、ぜひご利用の際にはスタッフの方に声をかけてみて下さい。

⑥アクセサリー作り4

※ちなみにチット先生、日本人の彼女と一緒にYouTubeをやっていますので是非ご覧ください♪
FU-CHEAT🇯🇵🇰🇭 – YouTube

カンボジアってそうなんだ!~参加した方の声~

世界を結ぶ国際交流イベント!次回「フィリピン」をテーマに開催

今回参加してくださった方の中には、ご自身がフィリピン出身で国際交流に興味をもって参加してくれた方がいらっしゃいました。

今回のイベントに参加をして、趣旨や想いなどに共感くださり、ぜひフィリピンについても皆さんに知ってほしい!というお申し出をいただき、料理が得意なご友人とともに開催いただけるとのことで、次回はフィリピンに決定しました!まさに、セレンディピティな出会いの瞬間。申し出ていただいた方も、海外で自分の国を紹介したいって気持ち、とてもステキですね。

日程は12月17日(土)で、フィリピンの身近な家庭料理「アドボ」を作る予定です。

フィリピンでは、クリスマス料理の定番でもあります。またお菓子も沢山紹介してくれるようです!
詳細は今後、発信していきますので、ぜひお気軽にご参加ください。

また11月5日・6日にはNPO法人と共同で相模原市に行われるイベント「さがみはらフェスタ2022with Let’s Chill Out!!」に出店し、出張ワークショップ&カンボジアチャリティフリマを行ってまいります。お近くの方はぜひお立ち寄りください
さがみはらフェスタ2022with Let’s Chill Out!!出店のお知らせ! – TAKE A NAP公式

世界との幸運な出会いを、もっと身近に「TAKE A NAP」

「TAKE A NAP」では、今回のようなイベント・ワークショップを通して、ご利用いただく方の学びや仕事、挑戦へ一歩踏み出すためのきっかけ…そこまではいかなくても何かあそこであんなことやってたな、あの人が出来るんだから私もやってみようかな、くらいの楽しい思い出の場作りのお手伝いが出来ればと思っています。

グローバル化が進み、多様な働き方やライフスタイルが認知される昨今、個の尊重や地域のつながりの重要性がより意識されるようになってきていると感じています。明るく広がりを見せる世界に明るさと希望を感じる一方で、日々忙しい目先の日常だけに囚われて、ふとこれからの未来や将来がどうなるのか?社会に取り残されてしまうような、変わることへの漠然とした不安を感じたりする時も。1人でやるには、ちょこっと勇気がいるようなことも、先輩や仲間、何かを始める前にそっと背中を推してくれたり、気軽に相談ができる身近な人がいれば、もう少し気楽に関わったり、少しづつでも何か始められるかも。そんな誰かの挑戦や地域交流、変化へ気付くきっかけづくりのお手伝いが出来たらと、セレンディピティ※を意識した運営を行っています。

セレンディピティとは「偶然の出会いによる幸運、それを自ら引き寄せる力」

ワークショップでは、先生たち自身も初めて挑戦することをひとつ以上取り入れるようにお願いしていて、”完璧に仕上がったプロフェッショナル”ではなく、他の仕事や忙しい日々との合間に考えながらチャレンジしてくれています。先生たちのプロとしての一面に触れながら、いい意味での”拙さ”が醸し出す、個人としての”真摯さ”や”勇気”が身近に感じられる場。そこにセレンディピティを高めるヒントがあると考えています。(コワーキング利用中の方に試食やアドバイスをお願いしたり…台湾出身シさん/打合せ中に子守をしてもらっていたお母様からアドバイスを頂いたり…ベトナム出身クエちゃん)

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普段は仕事や学び、さらには子育てなど大変な日々。たまの週末に、普段は出会うことが無いような、新しいこと・世界・人や仕事に出会うことが出来る、そんなイベントを今後も開催していきます。

日常使いを頂くコワーキングスペースでは、板橋区や豊島区に住まわれている会員さんやご利用者の方が少しづつ集まり、たまに会員さん同士で挨拶する位のほどほどに良い距離感。ご利用いただく方も増えてきています。気分転換やどうしても集中して作業をしたい時に、ちょっと近所に散歩がてらや、雰囲気を変えて集中したい時に。疲れた合間には、ホッと一息できる場所がある。そんなスペースです。

「TAKE A NAP」は、日々のお仕事や勉強の合間の休息も、長い1年や人生の合間の休息でも、ちょっと立ち寄ると幸せな出会いがある、そんな場所。今後のイベントやお知らせも是非ご期待くださいませ。

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